表2−2−2 希望する就業形態別就業希望高年齢不就業者数の割合
資料:1992年「高年齢者就業実態調査」(労働省) 注:「任意に行う仕事をしたい」とは「近所の人や会社などに頼まれたりして・任意に行う仕事をしたい」ことをいう。 (3)環境に配慮する社会 労働時間の短縮は個人の生活に「時間的ゆとり」だけでなく「情緒的ゆとり」をもたらし、仕事や余暇や自由時間との関わり等の「バランス」のとれた人生を送る基盤となるものである。わが国の年間総実労働時間は「毎月勤労統計調査」(労働省)によると、1970年代後半以降は2100時間程度の横ばい傾向で推移してきたが、1982年からは減少し始め、1992年には初めて2000時間を下回り95年は1909時間となった。「2010年への選択」(経済企画庁)によると、今後も労働時間の短縮が進められ、2000年には1900時間、2010年には1800時間になると試算している。 それとともに日本人の意識も変化している。国が毎年実施している「国民生活に関する世論調査」(総理府)によると、既に経済的物質的には国民の約9割が中流意識を持ち、「今後の生活で重きを置くこと」についての答えも、1970年代後半に「物の豊かさ」から「心の豊かさ」に転換して以降、両者の差は広がる一方になっている(図2−2−4)。これは「経済至上主義」(エコノミック・アニマル)の時代から「精神的豊かさ」を求める時代になっていることを示しており、この傾向は21世紀初頭にかけてさらに進むことが予測されている。 また、こうした生活の質については人々が消費中心の便利さを追求する生活スタイルを見直し、環境や資源の制約を考慮しながら経済生活の安定的向上を目指していくことがテーマになるものと考えられる。地球環境が破壊され、資源が枯渇して人類の生存が脅かされるならば、何のための経済社会の発展かということになるからである。既にわが国においては環境と資源の保全に対する認識は高く、生活あるいは業務上のゴミ処理や廃棄物リサイクルについては地域社会での取り組みも始まりつつある。特に現在の国際状況からみて、現状のままでは地球の汚染は進みがちなことから、人々の環境保全に関する意識や行動(規制)は一
前ページ 目次へ 次ページ
|
|